前に高尾山に登ったのは、忘れもしない2011年3月11日、下山途中に激しい揺れに襲われ、状況がよくわからぬまま降りてみると、JRも京王も電車はすべてストップし、辛うじて動いていた路線バスの乗り継ぎで、深夜にどうにか帰宅したという経験があって、なんとなく足が遠ざかっていた。まさか今日は大丈夫だろうけど。
ケーブルカーは使わずに下から歩いて登るのだが、なんだか前に登った時よりも勾配がきつい感じがする。もっとも、山を舐めきった思いつきハイキングなので、ジーンズにトートバッグという、いつもの格好のせいもあるし、歳のせいか運動不足か。そして暑い。
それにしても、外国人グループが多い。黙々と登っている人が多い一般の日本人とは対照的に、彼らはにぎやか。
午前8時頃に中腹の薬王院に到着し休憩。ここらで一枚描きたいところだけど、どうも寺社仏閣は興味の持てるテーマではない。それで、境内をうろうろしていたら、なかなか立派な杉の木が目に入ったので、これをスケッチしました。描きたいものは直観的に決まることが多いです。
薬王院から山頂までは、約20分。ここまで来たのだから、山頂まで行きましょう。この辺の木道で十何年か前に描きました。その絵、今もあるのか分かりません。
山頂に到着したのは、午前9時頃でした。まだ人は少ないと思ったら、外国人(ATSUGI-BASEとプリントされているシャツを着てる人がいるから、たぶんアメリカ人)が100人くらいの集会を開いており。中心で男性が何やらスピーチをしている。一体何の集まりなのだろう?
今日は雲が多すぎて今日は富士山は見えませんでした。山々とか、昔はさんざん描いていましたが、どうも絵としてはつまらないですね。
山頂の手前に「やまびこ茶屋」という茶店があるのですが、通りかかったときに、「氷」の幕が夏ぽっくていい雰囲気だなと思っていたので、これをスケッチします。ところが、描いている途中で、先ほどの外国人集会が終了したらしく、「SoftCream!」とか口々にしながら、店頭にぞろぞろと集まってくるので、しばし中断。
描き終わって11時頃、そろそろ一般の登山者も増えてきたので、密を避けるために下山しました。体力作りの為に、月イチで登りに来るのもいいかなと思いました。
そして翌日は筋肉痛だったことは言うまでもありません。
自分の携帯電話の中に溜まっている2019年と2020年のスケッチを見比べると、明らかな違いが見て取れますね。ストレートに言うと2019年は「安定」そして2020年は「再構築」?
2019年は「スケッチ」として成り立つ絵をちゃんと描いてたように見えますね。それが2020年、初っぱなの新年ドリンク&ドローの時から新たに、スケッチブックではない「クラフトペーパー」に描いてみたり、今までとは違ったアプローチを試しているのがわかります。何かしら普通とは違ったアプローチで自分のアイデンティティを確立したい、そんな思いだったのかな?
その後コロナの影響で定例会もなくなり、ネットを中心とした集まりなどで友達と描くようになりました。その辺りでバーチャルスケッチなんかも流行って、普段の外で描く感覚ではない、既に切り取られた風景を模写する楽しさにも目覚めましたね。写真から描くのは楽チンで、何かズルをしてる気分にもなったりして(笑)でも、その活動があったからこそ、意外にも風景スケッチへのアプローチのコツ?も自分なりに掴めたところがありました。
バーチャルスケッチと同様、同じころ流行った?のがUSkJのウィークリー・チャレンジでしたね。いま思うとこれは、やはり「ウィークリー」だった事も随分意味があったかな?と。その後、ウィークリーだと忙しいので月に3本チャレンジのお題を出す「マンスリー・チャレンジ」としましたが、振り返ってみるとその時間的緩さが、チャレンジの盛り上がりの緩さが繋がってしてしまったかな?という反省(笑)
このウィークリー・チャレンジのお題によって、描き方や描くツール選びなど、今まではしなかったアプローチで描く楽しさを見つけたり、自分はこんな絵もかけるんだ!?なんていう発見もあったかな?でも、やはり外へスケッチしに行かない点で、家の中や周辺などの狭い視野の、よりイラストやマンガ的な絵が増え、建物や風景を「スケッチ」として見られるように描いていた2019年のような絵が減った印象がある?かな?
そして、それに拍車をかける出来事が夏、唐突に起こりましたね。部屋を整理していたら出てきた大きめ(A3サイズ)のコピーペーパーの束。子どもたちが小さい頃、好きなように描けるようにと買っておいた紙が出てきたんですよね。少し古いけど捨てるのはもったいないから、とホチキスで束ねて、ついでに表紙をつけてみたら意外と見栄えがよくて(笑)らくがき帳のつもりがドンドン気軽に描く日記帳みたいになって行きました。
思い返すと元々僕は、スケッチャーとしてよりジャーナル(日誌)を書く「ジャーナリング」-----日々の出来事や思ったことなどを書きつつ、そこにスケッチを描く-----ところからスケッチを始めたので、今回のこの安上がりで広く描けるコピー用紙ノートは、気軽に描かせてくれる最高な画材となりました。8月から始めて、ひと月で一冊描き終えるペースでここまで4冊ほど描き終わりました。
いま5冊目を使っていて、これももうそろそろ終わりそうです。このお手軽ノートにしてから、何かしら日常の場面を描いたり、そこにメモを書き添えたりする、日々のドキュメント作業のウエイトがより大きくなり、今までのように「スケッチでもするか」というような?これから描くぜ!という感覚ではなく、鼻水が出たので鼻をかむ、くらい普通な感じで、そこに描けるものがあるから描いておく、くらいな軽さで描いています。
この軽さとスピード感、スケッチブック(ノートですけど笑)が一冊うまる速さは一度体験するとハマってしまって、ここから今までのようにスケッチブックに描くことができるだろうか?と心配にさえなります。
またこの辺のジャーナリングについては、いつかどこかで発表なりワークショップでも開いてみたいと思っています。
そんなわけで、これが僕のスケッチの変化、昨年との違いについてのまとめになります。
おしまい